診療内容
アレルギー性鼻炎
様々なアレルギー原因物質(ハウスダスト・ダニ・花粉など)によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がおきます。喘息やアトピー性皮膚炎との関連も大きいです。ダニなどが原因の通年性アレルギー性鼻炎の割合は、もはや4人に1人です。
低年齢化が問題となっていて、半数は10歳までに発症しています。
鼻症状は集中力を低下させますので、学業期の方はきちんと治療をしましょう。
アレルギーは治らないから、と諦めないでください。根治的療法を含め、いろんな治療法があるので、個人に合う方法を一緒に追求しましょう。
アレルゲンの除去
花粉症の場合は、言うまでもなくマスク・ゴーグルなどの防護です。
ダニやハウスダスト、カビアレルギーの場合は、原因物質(アレルゲン)は住宅環境にあるので、掃除や環境整備が大切です。アレルゲンが増えにくい環境づくりと、増えてしまったアレルゲンを除去する掃除の2本柱と考えてください。
布団干しは、湿度を下げアレルゲンが増えにくい環境を作りますが、すでに繁殖してしまったダニの死骸などは十分に除去できません。
実はダニアレルギーは、ダニの死骸や糞に反応するため、布団干しだけでは十分でないことが多いです。死骸の除去には掃除機をかけるのが最も手軽で効果的です。布団乾燥器などを日常的に使用して、徹底的に繁殖しない環境を作ることも良いでしょう。
アレルゲンの除去は継続して行う必要があるので、無理のない方法を見つけると良いと思います。
従来の薬物療法
抗アレルギー薬は非常に多くの種類があります。
内服薬、点鼻薬、点眼薬、貼付薬など、細かいニーズに応えるものがたくさん開発されています。これらの多くを使いこなせるかは医師の知識と経験が必要です。
眠くなりにくいもの、値段が安いもの、1日1回が良い、授乳中でも使えるもの、など希望を教えて下さい。当院ではほぼ全てのお薬が処方できます。
舌下免疫療法
ダニアレルギー、スギ花粉症で5歳以上が治療の対象です。唯一の根本的治療であり、当院が非常に得意とする治療のひとつです。
アレルゲン(原因物質)を含むエキスを舌の下に投与して、体内に吸収させる方法です。従来の注射療法が改良されて舌下投与が開発され、薬の持ち運びも可能となり手軽に継続できるようになりました。継続的に投与することによって症状が出にくい体質に変わっていきます。
複数の食物アレルギーがあるお子様の導入に関しては、神戸中央市民病院などの連携病院に紹介することがあります。導入後は当院で継続治療できます。
ダニアレルギー | 167例 |
---|---|
スギ花粉症 | 37例 |
計 | 204例 |
開始年齢 5-15歳 | 67% |
---|---|
開始年齢 16-65歳 | 31% |
開始年齢 65歳以上 | 2% |
新薬の注射(生物学的製剤)
ゾレアはスギ花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の新しい治療薬です。2020年よりスギ花粉症に保険承認されました。
スギ花粉症の患者様は近年急増しており、10-50歳代の半数がスギ花粉症です。今まで通りの治療法の組み合わせに加え、ゾレアという分子標的剤の選択肢が増えました。従来の治療が効かない重症のスギ花粉症に効果が高い治療法です。
外科的治療(レーザー治療)
内服薬が使いにくかったり、鼻閉を抑えたい方に向いている治療です。
痛みもほとんどなく、施術時間は数分と忙しい方にも向いています。
症状が出ているときには施術できないので、計画的に行う必要があります。
当院では、CO2レーザーによる鼻粘膜焼灼(しょうしゃく)術を行っています。CO2レーザーを鼻の粘膜に照射して焼くことにより、粘膜の反応を抑えて、アレルギー性鼻炎の症状を改善することができます。
スギ花粉症の方は秋に受けるのが良いでしょう。秋の花粉症も強い方は、ベストな時期を相談いたします。通年性アレルギー性鼻炎の方は、いつでも可能です。